嶌田井書店

風の通る或る町に、稀にしか辿り着けない書店がある。

お待ちしております!

ついに文フリ東京が明日になりました。わー。

 

出店側の方も、一般参加の方もドキドキかと思います。私たちもドキドキしております。

 

添付のチラシの通り、今回の新刊は下記2作。

 篠田くらげ : 愛書部くらげ課書評集 其の二

  書肆侃侃房特集。最近出た話題の歌集から過去のミステリー名作まで幅広く。

 河嶌レイ : 写真集「Walking in the Shade」

  シンガポールの風景を中心に、光と影を感じさせるモノクロ写真を多数収録。

 

加えて ” 旅 ” をテーマにしたエッセイのフリーペーパーを、既刊の「化身の森」「花と剣」「愛書部くらげ課書評集」と共にひっさげてまいります。

【2階、エー25、26】でお待ちしております。河嶌、篠田、蒼井、3人ともおります。ぜひぜひお越しくださいませ。

 

(嶌田井書店一同)

 

追伸:

 (嶌田井書店においてに限らず)ブースにてご購入、またお話かけてくださる際、お隣のブースの前にはみ出さないように気を付けていただけますと幸いです。そのようなことは滅多にないのですが、時々トラブルがあるらしく、蛇足ながら念のためのお願いでした。

 

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愛書部くらげ課誕生記

篠田です。お疲れさまです。もうすぐ文フリ本番ですね。出店される方は準備も大詰めでしょうか。共にがんばりましょう。

 

今日は書評集の話をしてみたいと思います。


私たち嶌田井書店メンバーが「化身の森」を作るために集まったことは前回の私の記事でお話ししたとおりです。

 

私は朗読担当です。仕事としては、河嶌が小説を書く→私が朗読する→音響を蒼井が作って河嶌と打ち合わせる、というわけで、朗読が終わると私にはそれなりに時間ができます(打ち合わせにも参加しましたけれどね)。自分でもなにかできないかな。そこで思いついたのが書評だったのです。

 

問題は何を取り上げるかですが……。歌集を取り上げることは当然決まっておりました。短歌クラスタですからね。幸いにも話題作が続々刊行されていて、選書に困ることはあまりありませんでした、というより、削るのに苦労しました。

 

しかし歌集だけではつまらない。みんなが興味を持ってくれるような素材はないものか。そこで教科書に載っている本を取り上げることにしました。これならみんな読んだことがあるから大丈夫でしょう。私はさっそくネットで「教科書 国語」と検索し、そこに載っている本を買い込みました。あれこれ読んだ結果、『山月記』『走れメロス』を選び出し、評を書いております。

 

さて、あと何を書こうかな。迷っていたところ、メンバーから「これはどう?」と薦められました。おお!読んだことない。というわけで、最後の本まで決まりました。三島由紀夫『沈める滝』、オスカー・ワイルド『幸福な王子』です。メンバーの好きな本ということで、なるほど、こういう本がお好きなのね……とメンバーの新しい顔を知る機会にもなりました。

 

ついに完成、「愛書部くらげ課書評集」です!今回は新刊「其の二」とともに既刊としてお持ちしますね。よろしくお願い致します。

 

(篠田くらげ)

サークルはじめ狂想曲(1)団体口座開設編

こんばんは。スタッフの蒼井です。

前回はトップバッターにもかかわらず穏やかならぬ記事を書いてしまったので、今回はにこにこ笑顔で参りますね。

え、笑顔のほうが胡散くさい?

 

さて、そもそも嶌田井書店ってなんやねん。という話。

これは三つ前の記事でくらげさんが書いてくださった通りなのですが、もう少しおまけがあります。

なぜ「書店」なぞともったいぶった名前なのか。

 

5月の第二十二回文学フリマ東京では、三人で作った「化身の森」と、レイさんくらげさんそれぞれの作品とを、古井久茂さんのサークル「fulidom」(ふぁりだん、と読みます)にて委託販売させていただきました。

fulidomさんの文学フリマページはこちら!

c.bunfree.net

 

搬入前から撤収にいたるまで、百戦錬磨の古井さんに文フリのマナーや設営に使うもの、ノウハウ、などなどを教えていただき、慣れないながらも当日の販売をばたばたと終えた後のこと。

ありがたいことに少しながら通販の希望を頂いたのです。

 

にわかに色めき立つ三人。

嬉しい。ぜひお届けしたい!しかし通販ということはお金のやりとりが発生する。そもそも作品に三人関わっているけど名義や負担や配分もろもろ、どうするんだ。三人ともサークル活動をおこなったことがなく、そういったことに見当もつかなかったのです。

そこで皆で頭を傾げ傾げ調べた結果。「ゆうちょ銀行なら(法人でなくても)団体名義の口座を作れるらしい!」とのこと。

 

ゆうちょのサイトでは、「法人の口座開設>本人確認」の欄に「人格なき社団に限る」としてひっそり記載されています。

本人確認書類一覧-ゆうちょ銀行

 

よくわからないぞ、という感じですが…
「任意団体口座」で検索すると、過去に口座を開設されたサークルさんがまとめてくださった記事が見つかります。

otomenoikebukuro.sblo.jp

※ 特にこのサイトさんは記事の内容がわかりやすいうえ、情報をアップデートしてくださっていてすばらしいのです!

 

やはり皆さん苦労されているのだなあ。

 

さて、そうとわかれば、と動き出すメンバー。ゆうちょに団体名義で口座を作ろう。口座開設には団体規約というものが必要らしい。この団体は何をやる団体で、誰で構成されていて、どのように運営していますよ、というのが明文化されたものですね。

 

「Webで規約のテンプレートを見つけたので、ざっと書いてみましたよ!」というスピーディなレイさん。

「そもそも、権利能力なき社団の成立要件とは…」と眼鏡をただす法律畑のくらげさん。

「とりあえず、近くの郵便局に聞いてきます!」と、当たって砕けろな蒼井。

 

三者三様のアプローチで(キャラ付けは若干デフォルメしております)、規約と団体名簿をなんとか作り、身分証明と印鑑を持ち、最寄りの郵便局に届け出けました。待つこと数分。親切な局員さんに対応いただきすんなりOK。日々この形の口座開設は厳しくなっているとの話もききますが、地域によって差もあるのかもしれません。なお、メンバーに海外在住者がいる点もこちらは大丈夫でした。

 

すぐに通帳をいただけて、キャッシュカードは後日届きます。ゆうちょは恥ずかしながら使ったことかなかったのですが、オンライン(ゆうちょダイレクト)も使えて便利!ですね。(※ゆうちょダイレクトを使えるようになるには、書類が届くまでの何日かかかった記憶があります。)

 

話がそれました。この口座開設時に団体名としてそれらしいものを…!と考えた結果、「嶌田井書店」という名前が生まれたのであります。

だって、団体規約を次のように格好つけて書き出して…

第1条(目的)

本会は、文芸・音楽・朗読・動画作品の製作及び販売を行うことを目的とする。

 

第2条(名称)

本会の名称を以下のとおりとする。

河嶌レイとゆかいな仲間たち

 

というわけにもいかないではありませんか。

(案はありました)

 

 

以上、団体口座のあれこれは、同人活動をされている方にとっては「いまさら!」な話題だったかもしれませんが、これからやってみようという方もいらっしゃるかもしれませんので、少し書いてみました。

 

次回の蒼井の記事では、(もし書けたら)今回の文フリの打ち合わせに使ったツールなどに触れてみようと思います。

 

ではまた。

 

(蒼井灯)

京都の街とフリーペーパーと

書店員の篠田くらげです。よろしくお願いします。

 

今回配布予定のフリーペーパーでは京都を担当しています。埼玉出身の私にとって京都は異郷です。

 

あなたは旅人ですか?

 

私はずっと旅をしてきたような気がします。学生時代には生徒のグループがあったりするものですが、私はあえて特定のグループには入らず、いくつものグループをふらふらと漂っていました。くらげの名は伊達ではないのです。

 

どこにでもいて、どこにもいない。それが私です。それでいい、と思っていました。「でもそれは違いました。私は愛する人と出会い、相手を守ってひとつのところに根を下ろして生きる幸せを知りました」と書けばある意味ではハッピーエンドです。でも現実はそう簡単にはいかないものです。

 

そんな中に京都です。京都は実は、旅人の街なんだと思います。千年の都。平氏、源氏、信長、秀吉、家康、数限りない英雄たちが京都を目指し、生き、死んでいきました。名を残さなかった庶民たちもやはりこの街で生きていました。そんな中、ずっとあったのは京都の街だけ。ならば。京都人は仮住まいとしてあの街に生きているのです。あるのはただ、京都という土地だけなんです。

 

ただ一つ変わらないのは、祈るということ。庶民も権力者も、決して届かない仏に祈る時だけは等しく同じ姿だったような気がします。だからあの街にはあんなに寺があるのです、きっと。

 

今回のフリーペーパーでは、そんな京都の街に少しだけ触れていただきたいと思っております。嶌田井書店、旅の途中にふらりとお寄りください。そこで私たちは、あなたを待っています。

 

(篠田くらげ)

長い道のり

嶌田井書店店長の河嶌です。
 
 店長のくせに普段は国内におりません。なんと文学フリマ初回参加の2016年春の東京ではブース(委託) にさえいなかったというていたらく。しかし!今回の2016年秋の東京では店番します。います。その場に。ついに。
 
 嶌田井書店は、文学フリマで開店する文芸サークルです。小説・書評・短歌・エッセイ・写真・朗読・音楽・ショートムービー、その他もろもろ扱っております。文学フリマ会場ブースは2階のエ-25・26。
 
 しかし!なんと店長は会場の東京流通センターにさえも行ったことがなかったという……駅は、羽田空港から出ているモノレールの車窓から何度も通過いたしました……ポツーン……。一時帰国する度に、春と秋にはそこで文学フリマが開催されるのを知りながら通過するその虚しさ。ようやくリベンジです。
 
 そんな頼りない店長を支えるのは「大番頭」の篠田くらげさんと、「嶌田井書店の良心」蒼井灯さんです。まったくもって天然ドジっ子の店長をしっかりと支えてくれるこのおふたりのおかげで、ようやくここまでたどり着きました。
 
 もちろんくらげさんの書評本と蒼井灯さんの音楽と映像が、嶌田井書店に多様性を与えてくれているのは、作品をご覧になっていただければわかると思います。嶌田井書店は三人三様、まったく違う作風・性質・視点を持つ三人が集まって開店した書店です。
 
 どうぞ、11月23日(水)は、われわれ「嶌田井書店」のブースへおいでください。いまなら旅をテーマに書き下ろしたエッセイフリペがもらえます。執筆担当は篠田くらげとわたくし河嶌レイ。京都とシンガポールのリトルインディアを旅します。なんと無料!無料です!ブースは、エ-25・26。「え?にごにろ?」と覚えてくださいね。
 
 それでは11月23日(水)に「え?にごにろ?」でお会いしましょう。
 
 
(河嶌レイ)