同人活動を始めよう!
こんにちは篠田です。文フリ東京、間もなくですね。各サークルの告知を見て、自分もやってみたいなと思った方も多いかと思います。今日は同人活動をスタートさせたい貴方に、ちょっとしたコツなどお伝えしたく思います。ご参考になれば幸いです。
1.構想とチーム発足
書きたい新刊があって一緒に作ってくれるメンバーを募集する場合、「あの人に頼みたい!」という人に直接声をかける方が、漠然と募集するより集まるような気がいたします。嶌田井書店は、「化身の森」を作るプロジェクトとしてスタートしたのでした(今回も既刊で持っていきます。自信作なのでぜひよろしくお願いします)。レイさんが小説を書き、「朗読やらない?」と私に声をかけたのです。こんな感じで気軽にやりましょう。できればツイッターなどである程度気心の知れた相手とやりたいものですけれど。
2.とりあえず予算決め
お金大事。でもいくらかかるんだろう?
そういうわけで、印刷代がどれくらいになるかはざっと見ておきたいところです。印刷所のHPに書いてあります。印刷代はページ数と部数で決まるところが多いかと思います。自分の考えている予算と相談して決めていきましょう。
3.執筆・製作
がんばりましょう。読者さんの顔を思い浮かべつつ。ちなみにページ数ですが、「このページ数で入稿してください」というものがありますので要注意です。これも印刷所のHPに書いてありますのでご確認ください。書きたいページ数で作って、場合によっては白紙などで調整してもいいと思います。
4.メンバー間の報連相
これも大事です。何でも話しましょう。メンバーのちょっとした言葉からアイディアが大きく広がることも珍しくないものです。チームでの同人活動はプロジェクトです。全体管理をしてくれる人がいるとありがたいです。
5.デザインその他
絵も描ける人は自分で作りましょう。ページの端が切れてしまわないように、端っこ何センチまで印刷できるか、印刷所のHPで確認しておきましょう。私のように絵が苦手な人は、ネットで同人誌用の表紙データを配布してくださっている方がいるので、そういうものを頼ってもいいと思います。
6.印刷その他
印刷にも色々あります。ちょっと高いけど印刷所が品質に自信を持っているものや、少部数で比較的安価でできるものもあります。少部数でもそんなに見劣りしないと思います。紙についても色々種類がありまして、よくわからなくて困ってしまうこともあると思います。
そこでです。「キンコーズ」はお近くにありますか?キンコーズは同人活動の味方です。「コピー用紙じゃない紙に印刷したいんですけど」と言うと、いろんな紙の見本を出して「この中からお選びください」と言ってくれるはずです。触ってみて感じをつかみましょう。私は印刷所に紙を見に行きました(親切にご対応いただけました)が、キンコーズでもよかったなあと思いました。
あとは会場で売るだけ!こんな感じですがいかがでしょうか。
もしご質問などあれば、また書いてみたいと思います。
(篠田くらげ)
まだ間に合うかもしれない!?コピ本作成講座
こんにちは。篠田です。
11月23日文学フリマ東京にてコピ本歌集「くらげ摘み」を販売いたします。100円。ワンコインでお財布にも優しいです。第一歌集が破格のお値段!!買ってくださいませ。
それでです。今日のテーマはタイトルにある通り簡単コピ講座です。いまから作ってあなたのブースにもう一品。○分クッキングです。
こういうデータをお作り下さい。要は、ページの右半分に表紙、左半分に最初のページが来るようにしてくださいな。Wordでできます。
あとは印刷して折れば、無事に最初のページと1ページが完成いたします。続いて2、3ページを作って印刷、折って重ねてホチキスで綴じればOKです。あとは好きなだけページを重ねていけばページ数も簡単に増やすことができます。これを袋とじによるコピ本、と申すのでございます。このような具合でいかがでしょうか。ぜひ今回、あるいは次回お試しください。
それではまた次回お目にかかります。
(篠田くらげ)
第二十五回文学フリマ東京に出店いたします!
大変ご無沙汰しております。
店主河嶌でございます。
来たる11月23日(木・祝)、第二十五回文学フリマ東京、F-31,32ブースにて、1年ぶりに嶌田井書店がOPEN!河嶌レイ、篠田くらげの新刊・既刊の販売とフリペ配布も行います。河嶌レイの新刊小説『ステア』のデザインはメンバーの蒼井灯。ぜひお立ち寄り下さいませ。
Twitterにて随時作品の紹介もしております。ぜひフォロー(@shimadai_shoten)をお願いします。
リトルインディアへ(3)
「あなたの毎日に、旅はあるか。」
そんなコピーを冠したフリーペーパーを、2016年11月に開催された第二十三回文学フリマ東京で配布いたしました。前回の「リトルインデイァへ(2)」に続き、続編をお送りいたします(今回が最終回です)。どうぞお楽しみに。
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セラングーンロード
バッファローロードを抜けるとそこはもうセラングーンロードで、通りの端から端を覆うきらびやかな電飾が現れた。街を走る車の頭上には、蓮の花と孔雀が色とりどりに輝いている。通りには宝石商(売り物のほとんどが金の装身具!)、家電や携帯アクセサリー、民族衣装を売る商店がずらりと並び、歩道を歩いているのはインド系シンガポール人、観光客、海外からやってくる労働者などで、ひと目見ただけではその人たちの背景はわからない。
(セラングーンロードの電飾)
さらに北東に進むと、スリヴィラマカリアンマン寺院が左手に見える。破壊の女神カーリーを祀る寺院で、いたるところに神々の彫刻が施されている。 寺院内は観光客も出入り自由らしく、夜だというのに賑わっている。じっとひたすら祈りを捧げている人たちの姿も見える。今日が平日でよかった。日曜日なら観光客のほかにも、週に一度仕事から解放されたインドやバングラデッシュからの海外労働者で溢れかえるからだ。以前それを知らず週末に来たときは、その混雑ぶりに人酔いしてしまい、少々うんざりしたので、それ以来は平日に来るようにしている。
(スリヴィラマカリアンマン寺院)
サイドアルウィロード
そろそろ人混みに疲れてくるあたりで、リトルインディアの総合ディスカウントモール「ムスタファセンター」のあるサイドアルウィロードに差し掛かる。ここで店内突入と行きたいところだが、なにしろお腹が減っている。お腹を満たすために、まずは向かいのインド料理店「コッパーチムニー」へと足を進めた。いろいろ迷った挙句、注文したのは以下の品だ。
- ハラバラケバブ( ほうれん草・グリーンピース・ポテトのマッシュの揚げ物)のミントソース添え
- チキンティッカ(インド風焼き鳥)
- ベビーコーンの辛味ソースあえ
- バターナン
- ライムジュース
(コッパーチムニーでいただいた品)
どれを食べても「おいしい」としかことばが出ない。ハーブやスパイスが効いていて食欲をそそる香りがする。ミントを使っているのか、辛いものでもミントとヨーグルトのソースを付けて食べると、なぜか辛味が抑えられるような気がしてくる。そして辛味で一杯になった口の中を癒やしてくれるのがライムジュースだ。酸っぱいようなほんのり甘みもあるような懐かしいような……なにやら微妙な感じのする飲み物だ。中でも特に気に入ったのが、ベビーコーンの辛味ソースあえで、ほどよい歯ごたえがあり新鮮だった。店員さんもなかなか親切で、ひと皿ひと皿丁寧に料理の説明をしてくれた。
ムスタファセンター
さて、食後はいざムスタファだ。シンガポール人は略してムスタファと呼ぶが、ここはシンガポールにおける24時間営業の、限りなくドンキホーテに近いイトーヨーカドーとでも説明すればいいのか、とにかくたくさんのひとともので賑わっている。中にはスーツケースや大きなバッグ持参でやってくるツワモノもいて、それら大きなバッグなどは、万引き防止のため荷物預かり所に預けてから店内で買い物するルールだ。
(ムスタファセンター)
とりあえず今回はセラングーンロードの電飾とインド料理をメインにしてきたので、諸事情により今回必要な日用品だけを購入し、退散する。しかし海外旅行先でスーパーやドラッグストアを覗くのが趣味という方にとっては、ここは天国であるということだけはお約束しておこう。やる気のなさそうな、もしくは頼んでもいないのにやけに親切な、はたまた同僚スタッフに人生相談をもちかけているスタッフなど、スタッフを眺めているだけでも興味深いとお伝えしておきたい。そこには、たくさんのひとの人生があり、暮らしがある。もちろんここで日本流のサービスは期待しない方がいい。運が良ければ気のいいスタッフに当たるし、運が悪ければ目も合わさず、うんともすんとも言わずにレジを打ち、合計金額をボソッと呟いてまるきりやる気のない商品の渡し方をするスタッフに当たる。それでもいいじゃないか。ほんの少しだけでもインドの空気を感じさせてもらったのだから。もう二度と会わないひとよ。今夜仕事が明けたら、なにかいいことひとつ、あるといいね。
(サイドアルウィロード入り口)
などとぶつくさ言いながら、帰り道を歩く。夜が深まりつつあり、電飾も夜空に色濃く映えている。まだ賑わいが収まらない夜に、また途切れ途切れにジャスミンの香りが鼻をかすめていく。歩くこと。食べること。祈ること。たくさんの行為がひとの暮らしを支えている。湿度のある夜だがやけに心地よい。さあ家に帰ろう。そしてまた来る明日に備えよう。まずは地下鉄の駅に向かう。たくさんのひとの波をすり抜けながら。
(文:河嶌レイ)
六条くるる『君がいたってだめなんだ』
これはどこで入手したんだっけ。
本当にこの人の感性は好きだなあ、と思う。特に好きな一首をあげて批評したりしたら、なんだか作者の方に嫌われてしまうような気がするからしないけど。
あとがきに書かれているように、落ち込んだとき、うまくいかないとき、忘れたい思い出に胸が痛むとき、開きたくなる歌集であった。
※旧かなの「罪と詩情」もとてもよかった。必読。
今更と手遅ればかり タイミングいいことなんて悲しみだけだ(六条くるる)
(篠田くらげ)