嶌田井書店

風の通る或る町に、稀にしか辿り着けない書店がある。

京都旅行記・金閣寺

 

京都で「この寺に行くべきだ」という寺がどこなのかわからないが、「この寺が一番派手だ」という寺ならすぐに思いつける。金閣寺だ。正式には鹿苑寺金閣という。


バスを降り、ちょっとした坂道を登れば、そこが金閣寺である。入るとちょっとした森っぽくなっていて、期待を高めてくれる。それからチケットを買うことになるのだが、よく見ていただきたい、チケットがお札のようになっている。珍しいので取っておこう。


さて、チケットを買って入場すると、驚くほどあっけなく金閣が現れる。あの、教科書に載っている、絵葉書で見る、あの金閣だ。あまりにあっさり見られるので拍子抜けするほどである。この一帯は大変にぎやかで、「あの教科書の写真」を取ろうとする人でいつもあふれている。


日本語、韓国語、英語、フランス語、そのほか知らない言葉まで、あちこちの国から訪ねてきたらしい人がいる。ここで「あの写真」を撮るのもいいが、金閣寺の魅力はそれだけではない。


さらに進んでいくと、庭園としての素晴らしさも他の寺にひけをとらないことがわかる。「登竜門」を模した滝や、茶室もある。私は金閣寺の本領はこの庭園にあると思うが、そのほか、高台からの金閣なども見られる。「修学旅行で見たからもういいや」と思わず、ぜひ行って自分の好きな金閣像を目に焼き付けてきてほしい。

 

 

f:id:shimadaishoten:20161209224336j:plain(雪の金閣。レアなので混む)

 

(篠田くらげ)