嶌田井書店

風の通る或る町に、稀にしか辿り着けない書店がある。

文学フリマ獲得品感想

葵夏葉『自選詩集 死にたくなるほど優しい夜に』

文フリ東京で入手した『自選詩集 死にたくなるほど優しい夜に』を読んだ。 この作者の作品は初めて読んだと思うが、とても知的な作風である。言葉遊びのようなものもあるし、また、リフレインや対句など、技巧的なところも見られる。 他方で、五感に訴えてく…

豆崎豆太『我ら北高推理研究愛好会(非公認)!』

よく、文学賞の落選理由などで「人間が描けていない」などと言われることがある。あるらしい。馬鹿げた話だと思う。人間を描くとは何なのか。 豆崎豆太の書く人間たちが変わり者であることは、読んでみればわかる、と私は思う。かつて『異邦人』のどこが不条…

家登みろく・朝妻久美子『俳句・川柳共詠句集 混線』

篠田です。文フリ東京、お疲れさまでした。出店された皆様、一般参加の皆様、それぞれに楽しまれたでしょうか。 私が入手したものの中から感想を述べてみたいと思います。作者の方に伝わりますように、そして作品に興味を持たれた方に伝わりますように、と思…